第1章.精密事業部の歴史

「面白いものをつくる」。新たな事業分野に進出し、精密化工品の開発に著手。
フクビは建材業界で培ったノウハウを活かして新たな事業分野に挑戦するため、1987年に坂井工場內に精密化工工場(現?精密第1工場)を建設し、精密事業部を立ち上げました?!该姘驻い猡韦颏膜搿工颔攻愆`ガンに、モノマー(単量體)の重合技術に関する研究からスタートし、年月を重ねて開発されたのが「ハーツラスAR」です。特殊コーティング技術を駆使した高透明?低反射樹脂パネルで、視認性が要求されるディスプレイの表面保護パネルとして誕生しました。光線の透過率は99%以上で、光の反射防止に大きな効力を発揮。水や油をはじき、汗や塩分などの耐薬品性も良好なことから、自動車のメーターや醫療用モニターのディスプレイ部、スマホやタブレットなどのカメラレンズ用保護パネル、など幅広い用途に使用されています。

採用例






第2章 技術紹介
ハーツラスARの誕生につながった「ウェットコーティング法」
今や市場で広く認知されているハーツラスARですが、その開発はスムーズに進んだわけではありません。表示ディスプレイ用の保護パネルに反射防止技術が使われていないころから研究を始め、當初は試行錯誤の連続。失敗を重ねながらも一歩ずつ前進する中で、コート液の中にアクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂シートを入れ、光學塗膜を形成する「ウェットコーティング法」にたどり著きます。従來技術では、真空蒸著裝置などで無機系の膜を蒸著させていたのに対し、ウェットコーティング法では有機膜を付著させるため、溫度変化に強く、耐久性も向上。コーティング技術の開発にあたっては、わずかな溫度や濕度の違い、振動の有無が膜の形成に影響を及ぼすことから困難を極めましたが、この技術が礎となりハーツラスARの誕生につながりました。
構成

薄膜形成方法

長所
①汗(酸、アルカリ汗液)、塩水、水道水の耐薬品性が良好
②すべての薄膜が有機系で構成されており、溫度環境試験に強い
③安定した膜厚管理により反射色のばらつき?ブレが少ない
④各層間の化學結合により耐久特性を強化
第3章 その他技術
ハーツラスARの誕生につながった宇宙放射線実験への採用など國內外で活躍の場を広げるハーツラスシリーズ。
そもそもハーツラスという名前は、精密事業部で作る製品すべての総稱を指します。放射線計測シートとして開発された「ハーツラスTD-1」は、その高い重合技術が評価され、1992年のNASA(米航空宇宙局)のスペースシャトルに搭載され、宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)の宇宙放射線実験で活躍しました。近年では、ガラスが持つ弱點を解消したガラス代替樹脂パネル「ハーツラスFH」を開発するなど、続々と新規開発品がリリースされています。
お客様一人ひとりの要望に対して最大限できることを検討し、100%を目指して取り組み続けることが私たちの使命です。國內外で活躍の場を広げるフクビの精密加工品に、今後もご期待ください。
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